重厚・強靭・機敏!な帝国感のある芥川也寸志の「交響曲第1番」

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ようこそ、ようこそ、ようこそ!
クラシック&ゲーム音楽好きの中村卓矢です。

重厚・強靭、そしてキビキビ動く・・・
強大な帝国や巨大要塞みたいな曲はお好きですか?

作風で例えるならば、
ショスタコーヴィチやプロコフィエフ

イメージで例えるならば
スターウォーズの帝国、
FFシリーズの敵側の帝国、
ピクミンのダマグモキャノンやヘラクレスオオヨロヒグモ、
「この素晴らしい世界に祝福を!」の機動要塞デストロイヤー、
スチームボーイや
ワイルド・ワイルド・ウェストのスチームパンクなメカ達。

などなど・・・・
そんな感じのする曲のことです。

今回はそんな芥川也寸志の「交響曲第1番」のお話を分かち合いたいと思います。

超行動派な作曲家 芥川也寸志

作曲者はどんな人?

芥川也寸志は、音楽は生きていく上で必要なものであり、「音楽なみんなのもの」
という信念を持っていた。
そのため創作活動だけでなく、
テレビの司会や講演・執筆、
アマチュアの育成
なかなか演奏される機会がなかった日本人作曲家の作品の演奏
音楽家の権利向上のために、運動をおこしたり、ジャスラックなどの理事長としても奔走をした。
時には憧れのロシアの作曲家に会うために不法入国をすることも・・・。

とにかく超行動派タイプの人物だった。

解説_どんな背景でつくられた?

芥川は、橋本國彦と伊福部昭という二人の師匠がいた。
橋本は、都会的な情緒。伊福部は土俗的バイタリティを持っていたのだが、この2つの要素は愛称が悪かった。
そんなとき、ヒントを与えてくれたのがロシアの音楽だった。

明快で機敏、そして英雄的な雰囲気を持つロシア(ソビエト)の音楽に、芥川は自分の方向性を見出していた。
1954年、芥川はなんと憧れの作曲家に会うために自作のスコアを携えて当時国交のなかったソビエトに不法入国をしたのだった。
捕まる可能性があったが、幸運にもそのような目にはあわず、ショスタコーヴィチ、ハチャトゥリアン、カバレフスキーなどの作曲家達と交流を深め、
さらにはソビエトで自作を出版・演奏。

カバレフスキーの家には長く泊めてもらい
帰りはハチャトゥリアンの協力によって
日本まで帰ったのだった。

帰国後、このソビエト旅行の体験が大きかったのだろう。
作曲中だった交響曲にさらに手を加えたのだった。

そうしてショスタコーヴィチとプロコフィエフの影響色が強い交響曲第1番ができあがり、
大学の先輩後輩で結成した「三人の会」で
発表されたのだった。

まとめ キビキビ動く帝国の様な曲

まるでロシア(社会主義リアリズム)の様な音楽。ショスタコーヴィチやプロコフィエフなどの影響が強くでている。
イメージ的には重々しく冷たく強靭無敵な鋼鉄要塞、そしてキビキビ動き回るかの様な・・・・帝国的で重厚な音楽になっている。

第1楽章
深刻で厳しい雰囲気。例えるならばショスタコーヴィチ。

第2楽章
小洒落子気味のいい軽快な楽章。
早送りで動く昔の白黒映画の様な雰囲気。

第3楽章
冷徹さと重量感のある足取りコラール。帝国軍隊とその新兵器が登場するかのような感じになっている。

第4楽章
焦りながらキビキビ仕事をしているかの様な感じのする楽章。ちょっとコミカル。例えるならば、プロコフィエフ的臭いがする。

個人的にはちょっとコミカルな感じがする第4楽章がお奨めです。

独断と偏見に基づく劇場型感想(交響曲第1番)

※芥川也寸志指揮、新交響楽団1986年演奏(CD芥川也寸志に沿ったレビューです。
※時間は全楽章を合計した以下の動画に沿っています。

第1楽章

0:00頃
圧倒的な軍事力と科学力を持った帝国。
ある皇帝によって、厳しく強靭な独裁が敷かれている。
内乱が絶えなかったその帝国は外に敵をつくり、侵略することで内乱を抑え国をまとめ、他国を次々制服していった。
この国にとって戦争こそが平和である。
戦争が亡くなった時は国が分裂し崩壊するとき。だから、ずっと戦争をし続ける。

そんな中心地である帝都。
その強大なる帝国の力を誇示するかの様な巨大で豪華絢爛な建物達が並ぶ。
帝都郊外には鋼鉄の工場。多くの人がそこで働いている。

第2楽章

08:21頃
臣民達の日常。
多くの臣民が毎日きっかり、
予定通りにキビキビと仕事を行っている。

第3楽章

11:15頃~13:49頃
皇帝、そして将軍が集まった会議室。
そこではある科学者が新兵器の説明を行っていた。
その兵器の実験結果に驚く将軍達。

重々しく緊張する空気の中、皇帝はその兵器の投入を
決定。将軍達に命令を下すのであった。

13:49
軍隊は新兵器導入に着手。
異様な緊張感を持った中、
準備が着々と進められている。

16:49頃
・・ズン
・・・ズン。
重厚な足音が聞こえる。
新たに派兵された帝国軍隊の足音。
だが、それだけではない。

18:12頃
ついに秘密のベールを脱ぎ、姿を表したのは見たこともない帝国の新兵器。
重々しく移動する巨大すぎる黒鉄の塊の機動要塞。
数百もの砲台、蜘蛛の子をちらしたかの様に出てくる爆撃機とミサイル。
敵にとってはこれは絶望以外の何者でもない。

第4楽章

19:23頃
場面は変わり、要塞内部。
巨大な要塞は複雑なシステムが張り巡らされ、多くの人の手が必要となる。
次次と出される指示。
厳しい統制の中、多くの乗組員と隊員が焦りながらキビキビと動き回っている
まるで早送りされたビデオの様に。

22:10
放たれた攻撃。空を覆ってしまう程の弾道が、敵勢力に切り込まれ、無数の爆裂と共に、敵勢力は無慈悲にも蹂躙されていく。

24:11
再び嵐の様な忙しさの要塞内部。
急げっ!急げっ!急げっ!
上からさらなるスピードアップの命令。

機械や歯車や計器も勢いよく目まぐるしく動いている。
狂騒的労働時間

「はわわわわわわわ」
はやい、はやい、速すぎる。
千手観音くらい手があっても足らない!
猫の手も借りたいくらいの狂騒的忙しさ!
「やばい、死んでしまうぞ!」

やがて狂騒的労働が終わりの時間がやってくる。
疲れきった乗組員はベットにバタンと倒れ、
のび太君もびっくりの速さで爆睡するのだった。

この曲を聴くとそんな世界が目に浮かぶ。

 

もしBGMとして使うならば

第1楽章と第3楽章は、重々しくシリアスなので、
強靭な帝国、
法律が厳しい国、
厳格な軍隊、
鋼鉄の工場や乗り物
などのテーマに合いそうである。

第2楽章と第4楽章はちょっとコミカルに狂騒的な感じなので、

コミカルに忙しさを現すときや(忙しさを楽しむとき)
大勢が一斉に作業をするとき
いつもよりアップテンポな動きで作業をするとき

とかなどのテーマとしていいかもしれない。

 

お奨め

演奏としては、作曲者本人が楽団の設立育成かつ指揮をを行った
芥川也寸志指揮、新交響楽団1986年演奏をお奨めします。

またこの曲を気に入った方は、
同じ芥川の作品からなら、

交響管弦楽のための音楽
「絃楽のための三楽章トリプティーク」

をお奨めします。

他にも

ショスタコーヴィチの楽曲
プロコフィエフの楽曲
など20世紀のロシア(ソ連時代)の音楽

安部幸明の
「交響曲第1番」
「シンフォニエッタ」

をお奨めします。

どうぞ、強靭で機敏な音楽をご堪能あれぃ!

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「世界を痛快一変する」こと信条に企てを実行するKAIDENDOの創始者。 強みは、人と組織の持つ世界観を芸術化できること。 その強みを活かし、人や組織の持つ理念を芸術可視化するサービス「RINE」運営。 現在は、ライフログサービスYATAABA開発中。

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